| AMD報道資料 |
AMD報道資料1
報道関係各位
社団法人デジタルメディア協会(AMD)
理事長 山科 誠
著作権委員長 塚本 慶一郎
社団法人デジタルメディア協会(略称AMD、山科誠理事長)は、著作権の仲介業務法の改正へ向けて過日発表された著作権審議会・権利の集中管理小委員会専門部会の中間まとめ(以下「中間まとめ」)に関し、文化庁に対して意見書を提出しました。
その意見書の要旨は、【AMD報道資料2】としてまとめましたが、以下にその要約と若干の解説を行います。
仲介業務法は昭和初期の特殊な事情に対応するために制定されたもので、当時の目的を果たした後、速やかに縮小(廃止)すべきものであった。したがって、見直しを行うに際してこの点を考慮し、音楽の一部(包括許諾方式の仲介)のみに縮小した規制とすべきである。
<解説>本年7月5日に発表された「中間まとめ」では規制緩和を基調として複数の仲介団体の参入を促し、使用料も認可制から届出制へ規制緩和するとしています。これを受けて一律にこの「中間まとめ」を歓迎する報道が行われていますが、デジタルメディア協会(AMD)としては音楽以外の部分についてかえって規制強化が計られていることなどに着目し、むしろ規制強化される側面があることを問題としています。
すなわち、今まで小説、脚本、音楽の分野のみに対して行っていた仲介業務法の規制を、今後のマルチメディア時代への対応という美名の元に「一任型」の管理方法による論文、美術、写真、映画、コンピュータプログラムなどに拡張したことは、たとえ複数の団体に対して登録または許可をおこなうということであっても、規制緩和の主旨からは程遠く、音楽以外の分野については規制強化を招くものです。
これまでの関係省庁による規制が実効性をもっていたかどうかという点で様々な議論がある中で、このような規制強化を計ることは大いに疑問のある点です。
2.
権利処理代行センター構想について「中間まとめ」で提言の権利処理代行センター(仮称)については、そのような機関が実効を発揮するのであればよいが、その運営主体は政府や関連団体ではなく、民間にまかせるべきであり、そのために規制を新設する方向で検討を進めることには大いに疑問がある。
<解説>「中間まとめ」では、複数の集中管理団体の権利所在情報を提供する権利処理代行センター(仮称)について構想しています。そして、この権利処理代行センター(仮称)は規制対象から除外されるものの、最終的結論を得るまではこのセンターの考えも視野に入れつつ研究を進めるとあります。
デジタルメディア協会(AMD)では、このような団体が本当にすべての権利情報を総合できれば確かに利便性があると考えます。しかし現実には、各団体に未加盟の権利者も存在することなどから、一箇所だけに問い合わせればすべての権利の所在を過不足無く紹介できるような完全な権利処理代行センターの実現は、相当困難です。しかし、このような努力が民間活力を生かした形で行われても良いと考えますが、その実現のために新たな規制が必要とする考えに同調することはできません。
AMD報道資料2
報道関係各位
社団法人デジタルメディア協会(AMD)
理事長 山科 誠
著作権委員長 塚本 慶一郎
「著作権審議会権利の集中管理小委員会専門部会中間まとめ」
| 社団法人デジタルメディア協会(理事長山科誠)では、先般文化庁からの意見照会に対し著作権委員会(委員長塚本慶一郎)を開き検討し、団体としての意見書をまとめ、この度提出致しました。 |
1.デジタルメディア協会(AMD)による意見提出と問題意識
当協会は、高度な情報通信基盤を通じて流通するマルチメディア・タイトル
(CD−ROMを初めとしたデジタルコンテンツ)の質的向上や共通課題への対処等を目的とし、制作会社を主な会員として、1994年11月、郵政省の許可を受けて「社団法人マルチメディア・タイトル制作者連盟(Association
of Multimedia Developers/略称AMD)」として設立された。
その後、情報通信技術の急速な進歩とそれに伴う情報通信基盤整備の進展により、コンテンツのデジタル化とネットワークによる流通が普及し、会員各社の業態も多様化してきたことから、本年8月「社団法人デジタルメディア協会(Association of Media in Digital/略称AMD)」に名称変更している。現在、ソフトウェア開発会社、放送局、出版社、ゲームソフト制作会社等、デジタルコンテンツの制作関連会社約90社を会員としている。
当協会による意見提出の背景
以上のように、当協会会員各社は、デジタルコンテンツ制作とその流通を業とし、コンピュータ・プログラム、ゲームソフト、データベースおよびインターネット用番組等の著作物の権利者であると共に、それらを構成する音楽、写真、イラスト、コンピュータ・グラフィックスおよびシナリオ等、多様な著作物の複合的な利用者として、その権利処理に関わってきた。「中間まとめ」がまさに規制理由とするところの「デジタル化・ネットワーク化が急速に進む社会を見据えて」事業を遂行しているものである。従って、当協会が、実務の現状に則して意見を述べることは意義あることと思料し、本書を提出するものである。
(1)今回、「中間まとめ」が、音楽出版者の行う「楽曲を伴う歌詞および楽曲(以下「音楽」という)」を対象とする仲介業務を規制対象から除外し、複数の仲介業務団体による音楽著作権の管理業務を認めるなど、日本音楽著作権協会(以下「JASRAC」という)の一元管理を排して、競争原理導入の方向を示したことについては評価できる。
(2)しかし、他方「中間まとめ」は、これまで規制対象でなかった、あらゆる種類の著作物を仲介業務法による規制対象著作物とすべきと提言している。かかる提言は、「中間まとめ」が法的基盤整備の基本方針とするところの「規制緩和」や「競争原理の導入」に反するばかりでなく、規制を必要とする現実的要請の裏付けも十分に示されていない。
仲介業務法による規制は、即ち著作物のライセンス業務に対する規制であり、柔軟性、多様性、迅速性、国際性を要する現代の著作権ビジネスに多大な影響を及ぼすものである。特に、ネットワーク上での多様なコンテンツの配信やライセンス業務が事業化に向かっている現在、不用意な規制は、ネットワークによるコンテンツ流通そのものの阻害要因となろう。また、仲介業務は、著作物の商業利用の円滑と促進を目的とする経済活動であり、新たな規制の導入には、それらを犠牲にしても余りあるメリットと「より制限的でない、他の選び得る手段」の検討が必要であろう。音楽以外の著作物について、規制目的・効果と規制手段との関係がどれだけ具体的に検討されたのか疑問である。
以上を踏まえて、以下に当協会の意見の要旨を述べる。
2.
デジタルメディア協会の意見の要旨
(1)仲介業務法による規制は(ア)対象著作物を音楽のみとし(イ)その利用形態も、演奏、放送およびインターネットキャスティングといった、事前の個別の許諾の取得が不可能または現実的でない利用形態であって(ウ)かかる利用の円滑化という見地から、合理的に「包括許諾方式」が選択される仲介業務(以下「特定の管理業務」という)に縮減すべきである。仲介業務法制定の経緯やこれまでの運用の実態(「中間まとめ」第二章参照)からしても、音楽の他の利用形態および許諾方式並びに他の著作物については規制対象とすべきでなく、各仲介業務団体の自由な競争に委ねるべきである。
(2)その上で、特定の管理業務について、競争原理導入のため、複数の仲介業務団体の参入を容易とする制度とすべきである。
(3)しかし、音楽の上記放送等の利用の円滑と促進のためには、特定の管理業務を行う団体のある程度の集中が自ずから要請される(いわば、自然独占)反面、現在のJASRACの市場の独占という音楽著作権管理の現状を前提とすると、その優越的地位の濫用等に対する抑制策として、独占禁止法による規制だけで十分とすることには懸念が残り、次の業務規制を行うべきと考える。
ア.特定の管理業務のための支分権の管理の引き受け義務
ただし、現在、JASRACは、その信託譲渡契約により全ての著作権の信託譲渡を受けるものとしている。音楽の他の分野の仲介業務が自由化され、録音権等について音楽出版者や他の仲介業務団体が権利の管理を行うことを想定すると、特定の管理業務に係る放送等の支分権だけの管理をJASRACが拒絶するとすれば、他の分野の著作権管理の「自由化」は実現されないからである。
イ.特定の管理業務に関する使用料の認可制度に基づく現行制度の維持
特定の管理業務について、複数の団体による競争の有効性が確認されるまで、使用料に関する規制については、現行制度を維持すべきである。中間まとめ記載の審判所は不要であるばかりか、関係の利用者団体と仲介業務団体との実質的かつ十分な協議を損なうものである。
権利処理代行センター構想について仲介業務に対する上記基本的認識に関連するが「中間まとめ」が示唆する権利処理代行センター構想に対する社会的ニーズが現実的なものだとすれば、それはあくまで民間の事業として行うべきである。
需要があるなら、そこにサービスが生まれ、そうしたサービスは、民間の創意工夫と競争によってこそ柔軟かつ迅速に発達し得るからである。特に実務上、権利処理にあたっては、著作権以外の肖像権やパブリシティー権のクリアーや不正競争防止法等に抵触しないこと等が要請され、それらをすべてクリアーしたライセンスが求められていることを考慮する必要がある。
その他の補足意見(1)集中管理団体の概念把握について
中間まとめは、問題の所在を「仲介業務法については、昭和14年の制定以来改正されていないため、『規制対象となる著作物の範囲や、業務実施・使用料に掛る規制の内容が現在の著作物の利用実態に適合しないのではないか』ということに求めながら、問題の分析のための概念を「仲介業務」ではなく「集中管理」に置き換えたうえで、「集中管理」の概念を仲介業務法上の仲介業務ばかりか、著作権法上の指定管理団体の業務まで含めた広範囲な概念としている。仲介業務と指定管理団体の業務とは、その性質が全く異なるにもかかわらず、これらを包含した「集中管理」概念を前提としてその「公益性」を論じ、「集中管理の規制の必要性」や「法的基盤整備の必要性」を導くことの合理性には、大いに疑問がある。従って、仲介業務法による規制の見直しにあたっては、「仲介業務」の概念をもとに考察すべきであって、指定管理団体の業務の問題とは明確に別けて考察すべきである。
(2)仲介業務と他の法制度
仲介業務は、著作権者のために著作物の利用に関する契約の仲介を行う業務であり、その健全な発達は、市場の競争によって達成されるものであり、不公正取引等競争の阻害要因については、経済の基本法である、独占禁止法の適用で対処すべきである。更に、信託による管理については、信託法の規制がある(主務官庁は、信託約款条項の変更を命令し得る)うえに、現在、著作権の営業信託は認められていないため、信託による著作権管理は、公益法人しか行えず、その場合には民法上の主務官庁による監督も受けることになる。その上に更に規制が必要というのであれば、規制目的を明確にしたうえ、他の法制度では対処できないことの具体的理由を示すべきであろう。
(3)規制対象仲介業務について
ア.規制対象著作物
「中間まとめ」は、著作物の種類および利用態様を問わず、不特定多数の権利者の委託により行う、「一任型」の集中管理団体を規制対象とすべきとし、規制対象著作物の範囲を拡大している。このことは、「中間まとめ」が「法的基盤整備に関する基本方針」とする「規制緩和」と「競争原理の導入」に反するばかりか、かかる規制を必要とする現実的要請が具体的に示されているとも思われない。
当協会においても、実務上、音楽の分野でのマルチメディア利用の場合の著作権および著作隣接権の送信可能化権の権利処理問題を除いて、著作物の権利処理に関して、「中間まとめ」の提言する規制を必要または有効とする現実的問題が提起されたことはない。
イ.規制対象となる管理方法
「一任型」と「非一任型」による区別は明瞭性に欠けるうえに、その区別にどれほどの合理性があり、提言された規制手段が何故必要かつ有効なのか不明である。
たとえば、「一任型」であっても、個別管理が可能であり、複数の仲介業務団体が存在する現状において(フォトエージェンシーは約200社ということであるがネットワークでの業務展開も進みつつある)権利者が任意に、市場の状況を把握した仲介業務団体の専門的判断を良しとし、或いは仲介業務団体の設定した使用料規定や分配規定を良しとし、それに合意して「一任型」を選択する場合に、それは権利者が自ら「使用料を登録」する場合に比べて、権利者保護の見地からどれほどの相違があるというのであろうか?「一任型」を基本としつつも、利用の態様に応じて権利者の意向を反映させ得るシステムの場合、或いは「一任型」の管理と「非一任型」の管理の両方を行う場合はどうであろうか?今回「中間まとめ」が「一任型」の極致ともいえる、音楽出版者による管理を規制対象から除外すべきとしていることとの均衡、また「非一任型」であっても、適切な業務基盤や契約書は必要なことからしても「一任型」を理由に規制対象とすべき理由はないと考える。音楽以外の著作物利用の現状がどれだけ具体的に検討されたのか疑問である。
(4)音楽出版者の取扱について
「中間まとめ」が音楽出版者の行う仲介業務を規制対象外としたことは、「規制緩和」という観点から評価し得る。しかし、そうであるなら、他の著作物の取扱との均衡も考慮し、同様に規制対象から除外すべきである。
除外理由としては、実質的に「権利者の行為と同視し得る」ということしか示されていない。音楽出版者への著作権譲渡は、信託譲渡とどう違うのであろうか。また、他の著作物の場合も、著作権譲渡なり、サブ・ライセンス権付きのライセンスを受けて他にライセンスする場合には「権利者の行為と同視し得る」ものとして、規制対象外となるのであろうか。
(5)登録制等について
「中間まとめ」は「一任型」の仲介業務の参入規制について「当該団体が定められた要件を満たしているかについて判断する最小限度の裁量権を主務官庁に認めるべき」とし、「登録制」を採用することを基本とすることが適当」としたうえ「集中管理を的確に遂行し得る経理的基礎および人的・組織的基礎を有しないことが明らかであるときは登録を拒否できることとすること」も考慮すべきとしている。
かかる登録制は、「許可制」や「認可制」とどう違い、その判断基準をどう設定するのかを明確にすべきであるが、著作権管理には、その著作物の種類とも関連して様々な方法があり、「集中管理を的確に遂行し得る経理的基礎および人的・組織的基礎」を明確にし、こうした事業活動上の能力や組織の妥当性をその将来性も含めて判断するのは非常に困難なのではないかと思料する。
「委託契約約款」や「使用料規定」が明確であることは仲介業務に必要かつ有益であるが、それらが法的基盤整備により達成される必要はない。それらの条項の法定および認可制や届け出制は、様々なバリエーション、迅速性かつ柔軟性の要請される仲介業務(特に、ネットワーク上の仲介業務には様々なバリエーションが生み出されている)の阻害要因となりかねず、採用すべきでない。
社団法人デジタルメディア協会(AMD) 事務局長 仲村 浩
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3.
その他<経 緯>昭和14年(1939年)に、プラーゲ博士が行っていた仲介業務を排除する意図で制定された仲介業務法は、その経緯から現代にそぐわないのはもちろん、その後約
60年の間にインターネットなどに拡大した権利利用の要請にこたえられなくなっています。このために、著作権審議会での検討が行われました。この結果が「中間まとめ」です。平成11年7月9日
文化庁よりデジタルメディア協会(AMD)を含む各団体宛てに「中間まとめ」に対する意見の照会依頼平成11年9月9日 デジタルメディア協会(AMD)より文化庁に意見書の提出
<関係する主な法律など>
- 著作権法
- 仲介業務法
- 独占禁止法
- 信託法、等
<本件に関するお問い合わせ先>
[AMD活動について][今回の意見内容について]社団法人デジタルメディア協会(AMD) 事務局長 仲村 浩
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